「被差別部落の青春」 角岡 伸彦


みなさん、“部落”と聞いて何を思い出しますか?
多くの人は、怖いとか、危ないとか、そんな感じですよね。
ぼくもそう。
でも、それって実際に自分が部落に行って感じたことじゃなくて、
雑誌やテレビ、インターネットなどから得た知識がほとんどだったりするでしょ?


この作品はそういった、マイナス要因だけで語られることの多い
部落報道に対して違和感を感じていた著者(ちなみに彼も部落出身)が、
部落はそんな暗い話ばかりじゃない、もっと多面的な部落報道を、
という思いで書かれたルポタージュです。


実際読んでみると、
(部落に住む)本人達はけっこうあっけらかんとしてて
Jリーガーを目指してたり、普通に恋愛したりして、
あんまり部落出身ということが人生の重みになっていない。
だけど、ちょっと前の世代の人たちは、時代が時代だから
やっぱり差別というものにすごく苦しんだ人々。
だから、どうしても部落出身という事に捕らわれてしまっています。


ぼくはもともと被差別部落には非常に興味があって、
自分でもインターネットとかで色々調べてたりしてたんだけど、
正直なところ、中上健次とか読んで、好奇心で調べてたような部分があったんだよね。
身近にそういうヒトがいるわけでもないから……


でも、部落差別みたいなものがなくなればいい、という気持ちにウソはなくて、
そういう意味でこの本を読んで良かったなぁって思う。
なんか、この著者って、きっとすっごい暖かいヒトなんだろうなぁ。
一度話がしてみたいです。


でも、ぼくみたいな中途半端なのは逆に怒られちゃうかな(笑)

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Unclaimed / Two banks of Four