陰摩羅鬼の瑕、読了

帰りの電車の中でしか読まなかったから、
読み終わるのにやたらめったら時間がかかってしまった…


久々の京極堂シリーズ。
2002年内には出ると言われながらも、結局は2003年8月…
っていうか、待たせすぎだから。


で、当然のごとくかなり期待して読んだんだけど、
正直、かなり面白かった。
個人的にはフェイバリットである「魍魎の筺」に次ぐぐらい。


今までの京極シリーズといえば、
とにかく話が複雑で、真犯人は絶対に予測不可能。
関口は往々にしてダメで、榎乃津は意味不明で、
木場はバンカラで、京極堂はイイトコ取りっていう基本フォーマットは同じなんだけど、
今回は話の構造が、今までの作品に比べるといたってシンプルになってます。


だいたい、京極夏彦の小説って、その長さも特長のひとつだと思うんだけど、
前回の「塗仏の宴」はいくらなんでも長すぎ。あの厚さで上下巻って…
それにその異常な長さに加えプロットが複雑すぎるので、
ぼくは途中で登場人物の相関関係を忘れました。
(上巻と下巻の発売タイミングのブランクも一因にある)


そんな読者からの苦情の声があったかどうかは知らないけど、
今回は「姑獲鳥の夏」と同じくらいのボリューム。
原点に帰るというよりは、新境地といった感じ。
ぼくは読んでいて、なんとなく江戸川乱歩を思い起こしました。


ぼくはもともと結構涙もろいほうなんだけど、
実際涙が出る時って感動した瞬間とか多くて、
悲しいから泣くってことは滅多になかったりします。


でも、今回産まれて初めて、あまりの悲しさに泣きそうになりました。

  • 今日の1曲

Serge Gainsbourg/Bonnie&Clyed(herbert`s fred&ginger mix)