一泊二日の一人旅 in 岩手(二日目)2

ちょっと早めに駅に着き構内を散策していると、地方駅ならではの奇怪な絵画が。
 
誰が書いたんでしょうね? トーンこそ違えど、どちらも随分な力作ですが…。
ちなみに右の絵は相当デカくて、全長2メートルくらいはあったような気がします。


小一時間ほど電車に揺られて、13時過ぎごろ花巻に到着。ここでは温泉に入るのが目的。前日に泊まったホテルの温泉が屋内だったこともあり、ぼくはどうしても露天風呂に入りたかったのです。しかし、温泉卿のある山の方は厚い雲に覆われ、駅周辺にも小雨が…。半ば意地になりつつ、タクシーで温泉郷へ。イメージとしては、かなり山っぽくて箱根のような場所です。雨はもう本降りになっていました。気温も駅付近とは比べ物にならないほど低い。ホテルの温泉とかは嫌だったので、コンビニのおばちゃんにオススメ温泉を聞いて徒歩で移動。約20分ほど雨の山道を上ると台温泉という温泉宿街に到着。気温は5℃。でも雨が降っていたので、実際はもっと寒く感じました。ダウンパーカーを着ていって大正解。


おばちゃんが教えてくれたお店は、ほどなくして発見できたのですが、なんと露天風呂が女性使用の時間帯! そんなバカな! こうなりゃシラミつぶしに当たってやる、とばかりに、コンビニのおばちゃんが教えてくれたもう一件の宿に移動すると、こちらでは無事、念願の露天風呂に入ることができました。せんきゅー、おばちゃん。愛してるぜ! こんな寒い日の午後に露天風呂に浸かる酔狂な人間なんぞ当然ぼくしかおらず、完全に貸し切り状態。苦労してここまで来た甲斐がありました。体の芯から暖まり、念願達成でございます。


帰りもふもとまで徒歩で降り、バスで花巻まで移動。この時、大体15時半頃。盛岡にはSOPH.を取り扱ってるお店があるのを思い出し、その為に盛岡経由で帰ることにしました。東北本線は、またしても中高生の下校時刻で激混み。やっぱりかわいい女子が満載でした。中高生に揺られること約1時間、ようやく盛岡に到着。そして、あらかじめ調べておいたSOPH.取扱店へ電話して、場所を確認。完全アウェイの街をさまようこと小1時間、ようやく目的のお店を発見しました。


しかし! なんと、そのお店はSOPH.の取り扱いを止めてしまい、取扱店は花巻に移転しましたとのこと。ガビ〜ン! 花巻といえば、ついさっきまでいたとこじゃないか〜! ありえな〜い。こういうことは、事前にしらべとかなきゃダメだなぁ、と後悔しつつ、お土産を探して街をさまようぼく。


電車の中で読むものを本屋で探していると、松本大洋の吾(ナンバー・ファイブ)を発見。そういえば、マソウさん(id:ecrn)が紹介してたなぁ、と思い出し全巻購入。そして、あまりの重さに即激後悔。実は、最近の観念的すぎる彼の作風があまり好きではなかったのだけれど、この作品はどうやらすごいことになってますね。帰りの車中、夢中になって読みました。たしかに面白いです。でも、新幹線の帰り際に買うマンガじゃなかったなぁ。



今回大活躍だったDJ iPod((c)id:cinematic)くん。不思議なことに都会が近くなればなるほど、Gilles PetersonのmixCDからの選曲が多くなりました。しかも、なんだかHALCALIよりもシックリくる。


電車が東京に近づくにつれ、家と家との間が段々と狭くなり、縦長の集合住宅が増えてきました。東京の近くにあるマンモス団地の明かりは、まるで機械の部品のように規則的に並んでいて、眺めているとなんだか不思議な気分になりました。とてもキレイなんだけど、なんだか蜂の巣をみているような。そこには、身体全身で感じることのできたHALCALIの開放感はもうなくて、人も、時間も、場所も、楽しみも、なにもかも凝縮された都会の洗練があったのです。そしてぼくは、一時間に一本しか電車がこない場所から、3分おきにやってくる場所に帰ってきました。そう、分刻みという時間で動く街、東京に。


その日、ぼくは東京に近づくにつれ、時間の流れが早くなるのがわかりました。ゆっくり動く場所にいる人達は高速で動く街に憧れて、高速で動く街の人はそのスピードに疲れて、ゆっくり動く場所へ旅行をしたがるのでしょうね。ぼくは鎌倉と言うスロウなところに住んでいるので、これまであまり感じませんでしたが、今回の旅行でそれがよくわかりました。


日本はぼくが思ってたより、ずっと狭かったので、これからはもっといろんなところに行ってみたいなぁ、と思いました。
最後にいろいろな情報をいただいたみなさま、ホントありがとうございました。