仏が入滅した日より二四八八年目の八月、大瀧鹿爾はビルマからシャムに入った。さらさらという葉ずれの音だけが国境にはあった。かつて受けた訓練のおかげで食うには困らない。山岳部に暮らしていたのはシナ・チベット系の人びとで、ことばも通じた。森には…
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