インテル、ディフェンスの危機=セリエA

興味深い記事だったので、ちょっぴりクリッピング。とはいえ、そんなのは今に始まったことじゃなくて、この問題はネスタを取り逃がした2年前の8月から予見できたことなのだ。インテルに必要なディフェンダーは、彼のようなディフェンスラインを統率できるタイプの選手。本来であればマテラッツィがその役割を果たさなければならないわけなのだが、彼はインテルに来た一年目がキャリアのピークだったみたいで、もうそんな大役は務まらない。当時のマテラッツィはミスも多かったが、今ほどヒドいディフェンダーじゃなかった。その証拠にクーペルがやって来た一年目のインテルは、堅守が評判のチームだったわけで。だが、ディフェンスにこだわりをもったチームを作るクーペルにしてみれば、前述したような仕事をもっとハイレベルにこなせる優秀な選手が欲しかったはず。だから、ネスタの獲得をモラッティをはじめとするフロントに要求したのだ。仮にその獲得が不可能だったとしても、インテルコルドバと同タイプのカンナヴァーロではなく、ネームバリューはなくとも、少なくともディフェンスラインの統率という仕事ができる選手を獲ってこなきゃいけなかった。ほとんどのメディアは、今オフにカンナヴァーロを放出したことが間違いだとか言ってるが、彼がいようがいまいがたぶん状況はそんなにかわらなかったはずだ。逆に若いブルディッソを獲得し、即戦力のコルドバがいる現状では、彼の放出が別段間違いだったとは思わない(その放出先がユーベで、代償がカリーニというのはどうかと思うが)。現在、サネッティのレアル移籍がウワサされているらしい。この状況だとイタリアでも実績のあるサムエルとのトレードなら仕方がないとは思うが(おまけにブルディッソの教師役にはもってこいだ)、それ以外であればレアルに欲しい選手はいない。また、ミランとの間で、エムレアッビアーティのトレードという話もよく聞くが、現状でテクニックが高い上に守備までできるエムレを失えば、インテルはディフェンスどころか攻撃力まで圧倒的に低下させることになる。それはビエリも同様だ。いま放出できる選手はごく一部、具体的にはカラグニス、ホウトス、パスクアレ(レンタルのみ)ぐらいだろう。ココやキリは怪我が完治すれば、きっと大事な戦力になるはずだ。ぼくからしてみれば、トルドを外すより、もういっそのことガマラをスタメンに定着させたほうが良いのではないかとすら思う。昨シーズンのユベントス戦で見せた彼のプレーはマテラッツィなんかよりもよっぽど安心してみていられた。ユベントス戦はひとつのターニングポイントとなる試合だが、インテルの場合、こういう緊張感のある(というか注目される)試合には意外と強かったりする。まぁ、せめて負けないで欲しいものだ。