ヘルタースケルター
しっかし、今日は寒いですな。
本当は、横浜高島屋エルメスに行こうと思ってたんですが、
こたつに入ってJリーグを観ながらダラダラ過ごしておりました。
でも、せっかくの休みなんで、ボーッと過ごすのもどうかと思い、
友人から借りてまだ読んでなかった本やらマンガやらを読むこと。
で、本日ピックアップしたのは、岡崎京子の「ヘルタースケルター」。
岡崎京子というとオシャレマンガ家として一世を風靡しながらも、
酔っぱらい運転の車にはねられた、不運なカリスマ漫画家。
一説には半身不随(?)とか植物人間状態(?)とか、
さまざまなウワサ、憶測が飛び交いました。
それこそ、彼女のマンガでしばしば描かれる、
オリーブ少女や女子高生達の取るに足らない日常会話のように。
ぼくが岡崎京子を知ったのは、高校生のころ。
当時ぼくは、藤原ヒロシの連載が読みたくて毎月CUTIEを買っていました。
その時期に「リバーズエッジ」が連載されてて、読み始めたのがキッカケ。
普通に面白いと思ってたんだけど、
岡崎京子を好きと言ってる人達がすごく嫌いだったので、
ぼくの中では「オシャレマンガ」という侮蔑の称号で片付けていました。
実際ぼくだって、藤原ヒロシの連載を毎回楽しみにしてたんだから、
「オシャレマンガ」好きと大してレベルは変わらなかった訳ですが…
まぁ、平たく言うと頭でっかちな17歳の童貞君だったわけです。
「リバーズエッジ」を初めて読んだときから10年も経ちました。
この「ヘルタースケルター」は今から8年前に書かれた作品です。
でも、彼女の視点は、相変わらずエッジーでカッコよかった。
現代社会の安易なコミュニケーションの裏側にある「ねじれ」。
そんな毒々しいテーマも、彼女の手にかかればとってもポップ。
村上龍やどこぞの評論家みたいに偉そうじゃなくて、
等身大の視点でモノを考えているちょっと信用できるお姉さん。
そんな感じだった。
彼女が世間から消えている間に、
オウム事件や神戸の事件があったり、
携帯電話やインターネットが驚異的な普及を見せたりした。
気がつけばミレニアムを迎えて、同時多発テロなんて
ハリウッド映画みたいな事件があって、今、世の中は
未知の奇病でてんやわんや。
そして、ぼくは27歳になった。
頭でっかちなところは変わらないけど、もう童貞じゃなくなった。
ぼくは、今でも岡崎京子を好きな人は大嫌いだけど、
岡崎京子は大好きだ。
早く、彼女が描く“いま”を読んでみたい。